ヴォードビルは、映画が広まる前にアメリカで大衆の娯楽であった演劇です。ヴォードビルが一世を風靡した1880年〜1920年頃、ニューヨークなど大都市には数多くのヴォードビル劇場があり、大いに賑わっていました。内容もバラエティに富み、歌、踊り、お笑い、手品、など、多彩です。チャーリー・チャップリンやバスター・キートン、ローレル&ハーディ、マルクス兄弟といった、初期サイレント映画のスターには多くのヴォードヴィル出身者がいます。彼らは劇場から劇場を旅して回りました。The 2 Monkeys “VAUDEVILLE” は、旅芸人でもあったヴォードビル役者をイメージしてつくったブーツです。(特定のビンテージブーツの復刻ではありません)1910年前後のアメリカ、フランスのブーツに着想を得ました。ハイトウ、ブルドッグトウなど呼ばれた高さのあるつま先と、上下に別パーツを縫い合わせた腰革を持つ、キャップドトウの外羽根ブーツです。ややオブリークなつま先のオリジナル木型に、小さめのキャップ、大きめの腰革、低めの丈、小振りのヒールなどを組み合わせ、その時代のブーツが持つ佇まいに仕上げました。2種類の製法を組み合わせてウエストを強く絞って、当時のブーツの優美な姿を再現しました。見栄を張るのが習いの役者達をイメージして、つま先はラインが入る独自の形状としました。レザーは滑らかながら、自然な肌を残したホースハイド(ホースフロント)。あまり「化粧」をしていない革なので、履いていくと、トラ、バラ傷などが浮き出てくることもありますが、それらも含めて馬革らしさを存分に味わえる革です。柔らかい革なので足馴染みも抜群。”SPORTIF” 同様、驚くほど軽快なブーツとなっています。
カラーはブラックとオークブラウン。ブラックはエイジングが魅力の茶芯、オークブラウンは陰影ある深い色を持ち、仕上げに用いた黒い染料が色抜けする経年変化が楽しめます。