黒タグを使い、歴代のXXモデルの中でも人気の高い47モデル初期を製作しました。
XXを解体、分析、再現をしたデニムから新たなアプローチで製作した特別なデニムです。
弊社で所有する実寸32インチ、いわゆるゴールデンサイズのヴィンテージの個体からサンプリングし、当時のフィットをしっかりと再現しました。
今回アプローチした個体は革パッチ、片面タブ、サイドステッチ長い、べルトループ大戦同様の太めのベルトループなど大きく年代判別できるところも再現しておりますが、コインポケットがかなり下に縫い付けられいたり、バックポケットの縫い代をかなり余分にとっていたりなど、個体の癖が強く出ているところをしっかりと再現しました。
LASTRESORTの黒タグをポケット口に縫い付けました。
インシームは三行程で縫い付けることでしっかりとしたアタリが出ます。
バックヨークの縫い合わせをずらしたり、腰帯の長さを表裏でずらすことで、なるべくテンションをかかることのない当時の工夫など、その意図を考慮しながら縫製しております。
リーバイスが考えるフィット、なるべく糸の切れにくい縫製などという当時の考え方をくみ取りながら再現をする。
そういったアプローチを致しました。
ボタンは鉄製にメッキをかけたオリジナルボタンを使用。
片面レーヨンタブ、銅ずくのオリジナルリベット、革パッチはホースレザーを使っており表面が粗いのでプリントがのりにくく個体差の出るパッチにしております。
初めのはき心地にはハリが出るものの2日目からやわらかく白タグ同様の生地の伸びと柔らかさを感じていただけます。
~LASTRESORT BLACK TAG~
今から 2 年前、 JELADO を立ち上げて 15 年を機に、社運をかけて LAST RESORT DENIM を生み出しました。
当時の DEAD STOCK を解体し、某分析機関で綿の繊維長の長さ、糸の太さや撚り回数、生地の打ち込み本数に至るまで、近い年代の 2 本の DEAD STOCK のデータから
その数値に合わせた原綿から選定し、糸をつくり同じ打ち込み本数を 50 年代の織機で織り上げた至高のデニムとなります。
このデニムを作ることにより当時の XX デニムの特性、糸の質や生地感など今のデニムとの相違点など深く理解ができました。
その中で XX を再現するというミッションの中であえて触れてこなかった明確な行程を話すとしたら“色味” です。
ヴィンテージのような色味を出すところと紡績技術も今よりも発展しない、糸の質も今よりも悪い条件下で織り上げられたデニムの風合いや色目を再現すべく
作り上げたのが今回の LAST RESORT 黒タグとなります。
経糸緯糸白タグと同じ原綿を使用し(経 EMOT 緯カリフォルニアピマ )糸を作り上げましたが、経糸には糸のネップが飛びやすいよう細工をしてよりムラを強く出しました。
ムラを強く入れることにより、縦の色落ちを長く走らせることができます。
ターゲットにしたヴィンテージを見ると緯糸の色のくすみというか目立つものでした。当時の綿の色味が白というより黄ばんだ生成りのようにも見えました。
この色の深みも合わせて糸をつくりあげてから染色し生地を織りあげることにしました。
白タグとは違う染色工場に変えること全く違う色目になっております。
染色する工場によりロープの高さや、染めに入る工程なども違うので色の出方も変わります。
そしてこの工程の違いから 白タグは 14OZ 黒タグ 15OZ と生地の重みも変わったものになりました。
そして染色もあえて深く8回染めることにより、より濃いディープな青みの出たデニムに仕上がりました。 このデニムの色の深みとムラのきついワイルドなデニムをよりヘリテージな風合いを求めたモデルとして “LASTRESORT DENIM 黒タグ”として使用することにしました。
今後このデニムを使用するものは 40 年代以前のモデルのデニムウェアを仕立てるものとなります。
よりワイルドな見栄えと生地のタッチとなりますが、着用 2 日もすると白タグのような柔らかな穿き心地が前に出てストレスなくスルッとすべる滑らかな着心地に変貌します。